こんにちは、みなさん。ゴリラ教育研究所です。
先日、twitterで
「一般的に高校偏差値と大学偏差値には、10程差がある」
という投稿がありました。
(元の投稿:https://twitter.com/castdice_tv/status/1470743486081421312?s=20)
学習塾で勤務してきた私の経験からすると「そうだろうなあ」と思うのですが、
本当なのか調べてみました。
1.調査概要
以下の手順で調査しました。
① 大阪府の高校を2つ(※)選択し、高校の偏差値を調べる。
(高校の偏差値は「高校偏差値.net:大阪府の高校偏差値ランキング(学科・コース別)2021 最新版 (xn--swqwd788bm2jy17d.net)」より引用)
② 高校の進路状況から、各大学へ合格した人数を調べる。その人数に大学の偏差値を掛けて「偏差値ポイント」を算出する。
③ 「偏差値ポイント」の合計を合格者合計人数を割って、「合格大学偏差値」を算出し、高校の偏差値と比較する。
(※)情報の正確性を上げるためにはより多くの学校を調べるべきですが、いったん2校で算出してみました。
【注意点】
① 大学の偏差値は「河合塾」のものを使用。学部ごとに偏差値にばらつきがあるので、平均を用いる。
② 私立大学は記載通り。国公立大学は「2次偏差値(前期)+5」で算出。(科目数が多い分、難易度が上がると見込まれるため)
③ 大学偏差値の算定に医学部はカウントしない。(医学部の有無によって大学偏差値が大きく変動するため)
④ 専門学校、短大、高卒就職の人数は「偏差値30」としてカウントすることにする
⑤ 2次偏差値がない(小論文・面接など)大学は共通テスト得点率から推定で算出
⑥ 合格者の入試方式が不明なため、全員一般入試を受験したという仮定です。
2.調査結果
今回、調査対象とした2校は
① 偏差値70の公立高校
② 偏差値51の私立高校(複数コースがあるので、高校偏差値も平均をとっています)
としました。高校名は伏せておきます。
① 偏差値70の公立高校
「合格大学偏差値」は56となり、高校の偏差値よりも14も低い結果になりました。
理由として考えられることは、
・高校のある地域の自宅から片道2時間以内で通える大学が限られており、難易度が高い大学に進学することよりも自宅から通学可能な大学を選択した可能性がある
・そもそも大学の偏差値で70もある大学がごくわずかであり、高校偏差値よりも下がってしまうのは必然的
ということでしょう。
② 偏差値51の私立高校
「合格大学偏差値」は45となり、高校の偏差値よりも6低い結果となりましたが、
妥当なラインでしょう。
注意が必要なのは、指定校推薦の存在です。指定校推薦の場合、一般入試を受けるわけではありませんから、模試や入試で出る偏差値以上の大学に合格できることがしばしばあります。(なお今回の調査校は大学の併設校ではありませんので、系列大学への進学者は含まれていないことになります)
3.調査を終えての考察
高校や大学の位置関係やその年の合格状況によって変化はあるでしょうが、
「高校偏差値と大学偏差値には、10程差がある」は妥当
と言えます。ただし、高校の偏差値が50くらいになると、偏差値50以下の大学群となると42.5~47くらいになり、思ったよりかは差は出ないと考えられます。
一方、今回の調査では対象としませんでしたが、
偏差値60くらいの高校であると「合格大学偏差値」が52くらいになると予想されます。
高校の偏差値と大学の偏差値は、一致しないことは立証できたと思います。
一般的には高校の偏差値よりも、その高校から進学する大学の偏差値は低いということになりますが、だからといって合格できないなんてことはありません。今の自分にとって必要な勉強を進めて、志望校に合格してやりましょう。
逆に「このレベルの高校に入ったんだから、だいたい同じくらいの偏差値の大学には行けるだろう」という考えでは、志望校合格は難しいでしょう。
高校入試と大学入試は全くの別物と考えていただきたいですね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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