こんにちは、皆さん。ゴリラ教育研究所です。
年の瀬が迫っていますが、大掃除や新年の準備は進んでいますか?
受験生は、それどころじゃないですね。失礼しました。
さて、今回は「共通テスト利用入試」についてまとめてみます。
共通テストの受験申し込みをしている人であれば、だれでも活用できますので、一度検討してみてくださいね。
※本稿で用いる偏差値やボーダー得点率は河合塾発行の「栄冠めざしてvol.3」を基にしています。
① 共通テスト利用入試とは?
「共通テスト利用入試」とは、大学入学共通テストの点数で大学の合否が決まる入試形式です。「単独型」と「併用型」の2種類があります。
1.単独型
こちらは「共通テストの点数のみ」で合否が決まるものです。受験科目は1教科の大学もありますし、5教科7科目の大学もあります。一般的には5教科7科目のほうが合格ラインが下がります。英語ではリーディングとリスニングの比率が2:1や4:1の大学があったり、国語の中でも現代文・古文のみが課される大学もあります。
(1)科目数によってボーダー得点率が変わる例
・立命館大学経済学部 7科目型→ボーダー得点率:76%
5科目型→ボーダー得点率:77%
3科目型→ボーダー得点率:80%
(2)英語の点数比の例
・中央大学法学部 リーディング:リスニング=4:1
・関西大学経済学部 リーディング:リスニング=3:1
(3)国語の中で課される科目の例
・立教大学 現代心理学部 心理学科(3科目型) → 現代文のみ
映像身体学科(3科目型) → 現代文+古文
心理学科(6科目型) → 現代文+古文+漢文
→同じ大学でも、同じ学部でも、同じ学科でも方式によって違うことがあるので、受験を考えている大学・学部の科目・配点は事前によく調べておく必要があります。
自分にとって有利な配点の大学があるかもしれませんので、調べてみるのもいいと思いますよ!
2.併用型
「共通テストの点数」に加えて大学独自の入試が課される形式です。共通テスト+独自入試の合計点で合否が決まる場合や、点数が高い方が採用される場合があります。(各大学によるので、詳細は大学が発行する募集要項を必ず確認してください。)
英語の配点や国語の科目が大学によって変わるのは、単独型と同じです。
3.来年度の受験生向けの情報
社会の「A科目」が使える大学がいくつかあります。「A科目」は「B科目」と違って内容が狭く、対策がしやすいです。日本史A・世界史A・地理Aがそれぞれあります。特に私立大学が第一志望で共通テスト対策にあまり時間をかけたくない人にとっては、お買い得な情報かもしれません。(2022年度受験生は間に合いませんが…)
(社会「A科目」が利用できる大学の例)
・南山大学
・同志社大学(一部利用不可の学部あり)
・青山学院大学法学部(他の学部は不可)
・東京医科大学医学部医学科(まさかの医学部医学科!)
日東駒専や産近甲龍では、ほとんどの大学学部が利用可能です。
どうでしょうか?予想以上に難関大学でも利用可能だと思います。一度調べてみる価値は十分あります!
② 共通テスト利用のメリット
メリットとして挙げられるのは、
・一般受験せずとも合格が取れる
・経済的メリット:過去問対策や受験料・受験当日の交通費での費用が掛からなくなる
・受験料が一般受験より安価である
といったところでしょうか。
なお、大学・学部・入試方式によっては共通テスト後に「共通テスト利用入試」の締め切りを設けているケースがあるので、共通テストの自己採点後に出願するかどうかの判断を行うことができる大学もあります。(各大学の募集要項を必ず確認してください)
(共通テスト後に「共通テスト利用入試」の出願締め切りを設けている大学の例)
・関西大学 都市環境工学部建築学科 併用型:1/18締め切り(単独型は1/14締め切り)
・大和大学 政治経済学部(前期) 単独型:2/8消印有効
・中京大学 経済学部 単独型:1/21締め切り
・早稲田大学 社会科学部 単独型:1/20締め切り
③ 志望大学別に考えてみよう!
(1) 国公立大学志望者向け
最初にもお話ししたように、共通テストの点数を利用する科目が増えれば増えるほど、ボーダー得点率が下がるので、5教科7科目を受験する国公立大学志望者にとっては活用したい入試です。もちろん、得意科目で勝負したければ3科目受験でもいいでしょう。
国公立大学志望者には一校は共通テスト利用入試を受けておくことをお勧めします。その理由は「自分の自己採点が間違っていないことが証明される」からです。数点の採点ミスであれば影響はないかもしれませんが、科目のマークミスやマークのずれ(例:問題番号34に解答したつもりが問題番号33番の解答になってしまった)がなかったことを確かめられます。共通テストの自己採点が間違っているのでは?という不安を抱えずに、国公立大学の受験に臨めるのは心理的にプラスになることでしょう。
(2) 私立大学志望者向け
公募制推薦入試(現・学校推薦型入試)で「滑り止め」の合格がない方には、共通テスト利用入試で滑り止めを確保する作戦をとることが一手としてあります。私立大学の受験日程は近接しているので、共通テスト利用入試で「滑り止め」の合格をしておくと、第一志望校に専念した受験体制を取ることができます。